下北半島・津軽半島から浄土ヶ浜へ
テレビの旅番組を見て青森県へは何回か行った事があるが、下北半島と津軽半島へは行った事がないので行きたい気持ちに駆(か)られ計画を立ててしまった。
十和田湖も30年近く前に行ったがもう一度行きたいし、近くには日本秘湯を守る会の宿があるから泊まってスタンプを押して貰ってこよう。
恐山に行ってイタコに父の霊を呼んでもらおうかな?
ネットで調べるとイタコはいつもいるのではなく、大祭の時と秋詣り(あきまいり)にしかいないそうだ、予約は出来なく並んで番を待たなくてはいけないらしい。
あまり信用していないからイタコはいなくてもいいや。
次は下風呂(しもふろ)温泉、ここにはイカを買い競争させる‘烏賊様(いかさま)レース’がある。
本州最北端の大間崎、マグロが有名だ。
西岸を下って来ると仏ヶ浦がある。
浅虫温泉から見る夕日も綺麗なようだ。
竜飛崎には階段国道があるのでぜひ見てみたい。
帰りは浄土ヶ浜に寄って極楽気分で帰ってこよう。
宿はシーズンオフの三ヶ月前という事もあり一人泊でも予約する事が出来た。
ちょっと時間的にきつい所もあるが何とかなるだろう!
気持ちが逸(はや)っているのか目覚ましより先に起きてしまった。
予定より早く5時10分にインターを通過、首都高はさすがに時間が早いので空いている。
東北道は大型車が多かったが栃木を過ぎたあたりから台数がめっきり少なくなってきた。
流れは順調で12時35分に十和田インターに到着、以前来た時に発荷(はっか)峠から十和田湖を見たので寄るつもりでいたのに通り過ぎてしまった、迷ったが次はいつになるか分からないので引き返す事にした。
曇っていて霞がかかったようで、すっきりした景色ではないが写真を撮って次へ車を
走らせる。
休屋の駐車場に車を止め湖畔を乙女の像を目指して歩くが、日が差してきて暑いくらいだ。
観光客はそれ程多くなく、ゆっくりと散策する事が出来る。
月日はだいぶ経ったが乙女の像は変わらぬ姿で迎えてくれた。
時間は予定より早いが奥入瀬へ向けて出発する。
奥入瀬までは木立の中を走り清々(すがすが)しい気分だ。
駐車場とはいかないが道路脇に広く設けられた所があり車を止める事が出来る。
観光バスも止まっているが以前来た時にもあったのかな?
ハイキングをしている人、絵を描いている人、色々な人が清らかな流れの奥入瀬渓流 を楽しんでいる。
次は銚子大滝の近くに車を止め滝を目指して歩く。
落差はあまり無いが日の光を浴びて水が勢い良く流れ落ちている。
奥入瀬は車で来ないで渓流に沿って遊歩道
をのんびり歩いて楽しむ場所だな。
まだ見所はいっぱいあるがこれから先長い行程なので宿に行って風呂に浸かりのんびりしよう!
木立に囲まれた道路をのんびり走り15時30分に予約してあった蔦(つた)温泉旅館(0176-74-2311)に到着。
木造でこれぞ温泉宿という感じで好みのタ
イプだ。フロントで宿泊カードに記入を済ますと部屋へと案内されるが、私の泊まる部屋は本館の裏にある二階建ての別館だ。
そこへ行くには本館の二階から連絡階段を使わなくてはいけない、しかしこの階段の段数が約60段もあるのだ、しかもかなり勾配のきつい階段で昇り降りが大変かも!
やはりお腹の出たおじさんがスリッパでは
途中で休まないと昇りきることは出来なかった。
部屋に入ると窓からは駐車場と木々しか見えないが、静かで小鳥の鳴き声しか聞こえてこない。部屋に冷蔵庫が無いのでビールとお新香を注文し長旅の疲れを癒す。
まだ時間は早いがお客が来ないうちに湯に浸かろうと風呂へ向かうが、あの階段を使
わないと風呂へは行けないのだ。
降りるのにも足を滑らせないように気を付けないといけない、酔っていたら風呂に行く気にならないかも!
酔って風呂に入ると体に悪いから、かえっていいのかもしれないな。
風呂は内風呂だけだが二つあり、一つは男女別にあるが、もう一つは時間制で男女入れ替えになっている。
ゆっくり入りたいので最初に入れ替え制の風呂に行く事にする。
湯舟の底に板が張ってありその隙間からお湯が湧き出しているめずらしい風呂だ。
先客が二人いるがゆったりと浸かる事が出来た。
ゆっくり入っていたのでもう一つの風呂は食事の前に入る事にしよう。
部屋で暫く休んだ後、混まない内にと風呂へ向かったが日帰り入浴の客で狭く感じるくらいだ。
ここの風呂も底板の間から湯が湧き出している。
食事の時間も迫っているので、そうのんびりとは浸かっていられない。
夕食は山の幸が主だがヤマメの塩焼きもあり、とても美味しく残さずに頂いてしまった。
まだ先は長いので早く寝る事にしよう。
小鳥のさえずりの中で目を覚まし、窓を開けるとひんやりした空気が美味い。
朝食は7時30分からなので散歩をして朝風呂に浸かる。
予定より早く宿をたち酸ヶ湯温泉を目指す。
まだ8時55分だというのに駐車場が満杯なのには驚いた、宿泊客やキャンプの人達のようだ。
空くのを待っていたら今日の予定が狂ってしまうので、諦めて次の目的地へと車を走らせる。
むつへ向かう道路は空いていて走り易い、徐々に家が少なくなり林の中を通る道路へと変貌してきた。
しかしむつ市内に入ると今までとは違い見違えるような大都会だ!
ここから山道を恐山へと向かうが、道のいたる所にお地蔵様が置かれていて何か異様な気持ちだ。
このままあの世へ連れて行かれはしないだろうな?
峠を下ると景色が開けてきて湖が見えてきた。
広い場所があり何台か車が駐車していたので、車を止め外に出てみると硫黄の臭いがすごい。
あの世との境界線に来たのかなというような気分になってきた。
湖の向こうに建物が見える、あれが恐山の
入り口だ。
向かっていると赤い橋が見えてきた、これがこの世とあの世を繋ぐ三途(さんず)の川にかかる橋だな。
悪人には針の山の橋に見えるそうだが、幸いな事に私にはただの木の橋にしか見えない。
橋を渡ってみようと思ったがもう少し長生きをしたいので、渡るとあの世へ連れて行かれるかもしれないから写真だけ撮ることにした。
駐車場へ着くと何台もの車が止まっている。
大勢の人が来ているが参拝の人はどれほどだろうか?
私の様に観光目的の人が殆どではないのだろうか?
食堂で昼食を食べいよいよ恐山へ足を踏み入れる。
山門の前にはお地蔵様が立っていて岩や小石を積み上げて、風車が沢山立てられている。
まだ入ったばかりなのに異様な雰囲気だ。
山門を入ると温泉があるが覗くだけにして境内を歩く事にする。
左の建物を見るとイタコの口寄せの看板が出ていて、口寄せをしてもらっている人がいる。
普段はいないとネットの資料に出ていたのに、折角来たのだから物は試し父の霊を呼んでもらおうかな!
先客がなかなか終わらないので境内を回って来よう。
岩がごろごろした硫黄の臭いのする遊歩道を歩いていると、いたる所に賽銭箱があるのが気に入らないな!
一周してイタコの場所へ来てみるとお客がいないので口寄せをしてもらう事にした。
呼び出す人の名前、享年、死因、家族構成を聞かれ、霊を呼び出してくれた。
信用はしていなかったが、身内で話をしていたのと同じ事を言われた時にはちょっとドキッとしたな。
時間はまだ早いが、だいぶ歩いたので今日の宿へ行ってゆっくりしよう。
山道は狭くて険しいのかと思っていたら、それ程でもなく本当に早い時間に宿のある下風呂(しもふろ)温泉に着いてしまった。
大間崎は明日の予定だがそう遠くはないので行って来る事にしよう。
土曜日だが観光客は少なく、ゆっくり本州最北端の地を踏みしめる事が出来た。
しかし天気がすっきりしなく対岸の北海道はシルエットの様で残念ながらはっきりとは見えない。
明日の朝また寄る事にして宿へ行こう。
宿は海が見える所にあるが案内された部屋からは海は見えない。
名前は旅館だが民宿といった感じだ。
若い主人が一人で切り盛りしている感じで最悪の旅館だったのであえて旅館名は書きません。
風間浦(かざまうら)村のホームページで宿泊施設として紹介していたのに!
風呂に入るには早いのでビールで喉の渇きを癒し、テレビを観て時間を潰す。
トイレに行くと水洗だが臭い、おまけに虫がいっぱいいる、網戸になっているのに!
風呂へ入ろう、温泉は海に近いのに乳白色の硫黄泉で、全国でも数箇所しか無いそうだ。
風呂は広々として良いのだがアメニティグッズがまた最悪。
宿泊客は私一人なのに石鹸に女性の物と思われる髪の毛がついたままだ。
シャンプーも量が少なく空気と一緒にわずかに液が出てくる。
温泉は良かったのでゆったり浸かった後、部屋で食事が運ばれるの待つ。
食事は海の幸が盛りだくさんで美味しく食べる事が出来た。
満腹のお腹を消化させるために散歩に出た、第二次世界大戦中の激化で工事が中断して幻になった、大間鉄道の陸橋跡がメモリアルロードになっているので歩く事にする。
ここの待合室は足湯になっている。
宿へ帰って居酒屋を訪ねると無いとの事、仕方ないので近くのあさの食堂(0175-36-2838)に入ると地元の人が6人で楽しく飲んでいる。
マグロを肴に焼酎を飲むが、活イカを頼むと本格的な漁は7月からで今日は無いと言われた、烏賊様(いかさま)レースもまだやっていないそうだ。
お客はママの友達で漁師もいて、小さいがイカを2ハイ貰ったので刺身にしてあげましょうか言われ、すかさずお願いしますと答えてしまった。
新鮮なイカは歯応えが違う、酒がますます進んでしまった。
いい気持ちになってきたので帰ろうとしたら、お客さん達に引き止められてご馳走になり、話も弾み楽しい時間を過ごす事が出来た。
朝は気持ちよく目が覚め予定より早く出発出来たので、もう一度大間崎へ寄ってみる事にする。
しかし日にちが変わっても北海道ははっきりと姿を見せてはくれない。
さあ今日の目的地、仏ヶ浦へ行くとするか、観光船の時間に遅れたら大変だ。
乗り場には30分以上前に着く事が出来た。
観光船は予約をしてあったので切符を買い土産物店を覗いて出港時間を待つ。
いよいよ出発だ、片道30分の航海は退屈するかと思っていが、あっという間に仏ヶ浦に到着。

海岸線が開け砂浜が現れた所に切り立った岩がずらりと並んでいる。
上陸時間も30分だが、そう広くは

ない範囲なのでゆっくりと回れ沢山の写真を撮る事が出来た。
帰りはうとうとしてしまったが無事に桟橋に到着。
後は今日の宿浅虫温泉に向かうだけだ。
下北半島の西側を南下していると展望台があったので、車を止めて覗いて見ると仏ヶ浦が一望出来た。
またその先には駐車場があり、仏ヶ浦まで降りて行けるようになっているが、この高低差を登ってくるなんて私は行きたくないな!
さあ宿へ向かおう、道路は空いていて16時過ぎに浅虫温泉辰巳館(017-752-2222)に到着。
部屋は海に面しているが曇り空のため夕日は期待出来ないな。
ビールで喉を潤した後、他のお客が来ない内に風呂へ入ることに
する。
誰も入っていなく岩造りの湯舟で手足を思い切り伸ばす事が出来た。
内湯続きの露天風呂があるが周りの景色は見えず開放感が無いな!
部屋でくつろいでいると食事が運ばれて来た、海の幸が盛り沢山でお腹の虫が鳴いてくる。
夕日が見えずがっかりだが部屋は広くゆったりでき最高だ!
朝の目覚めもすっきり、朝風呂へ入り気持ちを引き締め朝食を頂く。
今日は津軽半島から浄土ヶ浜迄の長距離
だ。
出発は予定より少し遅れ8時35分、青森市内を抜けるまでは少し混雑していたがその後は順調に流れ10時45分に竜飛岬へ到着。
駐車場へ車を止め展望台へ行くと、津軽半島冬景色の記念碑が建っていて、近付くとセンサーが働いて石川さゆりの歌が流れて
くる。
灯台の方へ向かうとテレビで見た日本唯一の階段国道の看板がある。
かなりの距離があるので下まで降りるのを迷ったが、二度と歩く事が出来るか分からないので暑いが気合を入れて降りることにした。
降りる時は良かったがこれを登らなければ
車に戻れない。
ゆっくりと汗を拭きながら、全長388.2メートル、362段、標高差70メートル、を6分かけて登りきったが息がハアハアいっている。
でも貴重な体験が出来満足だ。
灯台の近くまで車で行って北海道を見るが、今日もすっきりと姿を見せてはくれない。
土産物店に入るとお姉さんが千葉から一人で来たのですかと言われたのには驚いた。
なぜ千葉から来たのが分かったのか訪ねるとテレビドラマに出ていた車のナンバーと同じ名前だから分かったとの事。
今日は岩手県の宮古迄行かなくてはいけないので、そうのんびりとはしていられない。
十二湖へ向かいお昼は名物のしじみラーメンを食べる、しじみの出汁(だし)が出て塩味のスープが美味い。
時間が限られているので十二湖大橋を渡るのを諦め、鶴の舞橋へと車を進める。
鶴の舞橋は木造の三連橋で全長300メートルは日本一の三連太鼓橋だそうだ。
写真を撮るとそのまま車へ引き返し岩手へと急ぐ事にする。
盛岡インターを出た時は予定より遅れていたのに、市内で渋滞に巻き込まれてしまった。
この分では今夜の宿民宿たかえい(0193-
63-2776)に着くのは遅くなってしまう、迷惑をかけてしまうので電話を入れておこう。
混雑は市内だけでその後は順調過ぎる位流れ、予定より少し遅れて宿に着く事が出来た。
さっそく風呂に入るがお客は誰もいなく、広く綺麗なジェットバスに一人でゆっくり浸かる事が出来た。
時間が遅かったのですぐに食事になったが、食堂に行くと他に二人宿泊客がいて私よりも到着の遅い人がいたんだ。
料理は刺身やホヤの酢の物にカキの豆乳鍋など海の幸がいっぱいだ、それと‘どんこ’の煮付けが付いている。煮魚はあまり好きではないがこの魚は美味い。
夜は静かに休む事ができ朝の目覚めもすっきり。
今日は旅行の最終日、極楽浄土へ足を踏み入れて帰るだけだ。
宿から浄土ヶ浜駐車場は近くにあるが、ここから浄土ヶ浜へは30分程歩かなくてはならない。

浜に降りた所にある浄土ヶ浜の看板から見る景色はとても極楽浄土には見えないのだが!
平日の早朝なので観光客も少なく海岸の遊歩道も歩き
やすい。
汗をかきながらやっとの思いで石がごろごろした浜に着いた。
ここが昔、霊鏡竜湖和尚が「さながら極楽浄土のようだ」と言ったといわれる場所か。
しかし凡人の私にはとても極楽浄土には見えないな。
もっとも極楽浄土へ行った事がないから、このような景色なのかどうか分からないのだけれど!
来た道を戻り最後の見学場所の宮沢賢治記念館を目指す。
宮古から遠野(とおの)へ行く道は空いていて、予定の時間より
早く到着したのでカッパ淵へ寄って見る事にした。
まずは河童狛犬、頭が平らで少し窪みがありお皿のようなのでそう呼ばれているらしい。
奥へ進んでいくとかっぱぶちばしがあり、渡った先にお堂があり河童が祭られていた。
まだ帰るには早いが、とおの昔話村に寄るには時間が足りない。
ここはもう一度来てみたいと思っていた場所なのだが!
千葉家曲家を見て先を急ごう。

宮沢賢治記念館では‘注文の多い料理店’が面白そうだったので本を買ってしまった。
これで予定は終わり、後は無事に我家に帰り着くだけだ。
花巻空港インターを予定通りに通過、帰り道は渋滞も無くインターには19時に無事到着。
2008年6月27日(金)~7月1日(火)
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